いに爆弾を切って放したとおもったのである。――ところが、どうしたわけか爆撃の直前にいって、パイ軍曹は、
「うーむ」
と呻って、把手《はしゅ》から手を放してしまった。
「パイ軍曹どの。どうせられましたか」
「いかんわい。やめたよ」
「なぜ、やめられましたか」
「下に見えているのは、日本軍の基地だと思っていたが、よく見ると、何のことじゃ。さっきまで、おれたちのいたアメリカ基地だったのじゃ。とんだ間違いを、やらかすところじゃった。もうすこしでリント少将閣下を爆撃するとこだった。いや、あぶなかった」
「へえ、あぶないことでしたな」
「基地へかえってきたことを、おれたちにおしえてくれないから、いかんのだ」
「しかし軍曹どの。機長から命令もないのに爆撃をするから、こういう間違いがおこるのですぞ」
「なにを。お前は、だまれ。上官にむかってなにをいうか」
「へーい」
パイ軍曹は、自分の失敗に、てれくさくなって、ピートにあたりちらした。ピートこそ、いい面《つら》の皮《かわ》だった。そのころ、機は高度をだんだん低めて、着陸の用意にかかっていた。
基地上空を一周すると、さらに高度は低くなった。氷原が、
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