、そして皆ついて来いと、こういうんだね」検事はいった。「それもいいだろう。私は君にしばらく捜査を委せてもいいと思う。外に誰か異議があるだろうか。異議があればいいたまえ」
 誰も異議を唱える者はなかった。そこで帆村は独自の捜査を進行することとなった。
「まず旗田亀之介氏を訊問したいのです。ここへ連れて来て頂きたい」
 何のための故人の弟の訊問か。
 やがて亀之介は入って来た。今日は服装も前日に比べてきちんとしている。昨夜の酒量も呑み過ぎたという程ではない顔色だった。
「もう真犯人はきまりましたか。誰でした。え、まだですって、まだ分らないんですか。なるほどこれは大事件だ。連日これだけの有数な係官を擁しても解けないとは。……検事さん、兄は心臓麻痺で死んだという話だが――ええ、早耳でね、僕のところへも聞えて来ましたよ――するてえと兄は病気で急死したんじゃないんですか。しかしそれではあなた方の引込みがつかないから、これは……」
「そこへお懸けなさい。今日は帆村君が代ってお訊ねします」
 検事は亀之介の騒々しい毒舌を暫く辛抱して聞いた上で、空いた椅子を指した。亀之介は、それをいつものように窓の方へ
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