な交際を取結ぶことが出来るんではないかと思うんですがね」
「それはねえ水戸君。それは希望的観測というもんだよ。われわれは優れた者の持つ力の働く範囲と程度とを冷静に観測し、そして最悪の場合を予想して置かねばならない。何しろわれわれ地球人類の間には、地球外の生物を迎えるための用意が少しもなされていない事実に、深く思いをせねばならない」
「そうでもありましょうが、われわれは努力によって好転させる可能性があるように思うんですがね。地球の全人類が共に血のつづいた同胞である如く、全宇宙の生物の間にも、当代同胞としての自覚が樹てられる筈、だから仲よく手を握りあえないことはないと思うんですがねえ」
「それはそうだが……」
「全宇宙のどこの隅にも不幸な者があってはならないのです。そういう不幸な一部があるということは、所詮宇宙の不幸なんですからねえ。この理屈は、如何なる時代にも、如何なる相手にも納得されることだと思うんですがねえ」
「水戸君。君のその信念は正しいと思う。そして君の熱情が、われわれが今怯えている影を吹き払って、われわれを不幸から救ってくれることを祈る」
「ええ、こうなったら、僕は一身を投げて
前へ
次へ
全184ページ中120ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
海野 十三 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング