ないと思う。恰も猿対人間、いやそれ以上に知能の差があるのではないか。さあ、そういう場合、劣等なるわれら地球人類は一体何をなし得るだろうか」
「何という淋しいことでしょう」
水戸記者は大きく溜息をついた。
「絶対無抵抗の外《ほか》なしだ。絶対服従だ。わが地球全土は、われら地球人類もひっくるめて、彼らの意のままに従わなければならないのだ」
「ああ、何という恐しいことでしょう。僕はそういう局面にめぐり合いたくない」
「が、それが、やがてわれら地球人類の迎えなければならない運命なんだ。好むと好まざるとに拘《かかわ》らず……」
「博士。ちょっと待って下さい。博士が今おっしゃっていることは予想です。それは夢です。われら[#「われら」は底本では「わられ」、67−上段−18]はまだ、何も現実に彼らによって征服されたわけでない。新しいコロンブスの船らしいものが今この海底に来ていることは来ているようですが、彼らはまだほんのちょっぴりの交渉を持っているだけです」
「だが、それは、疑問に包まれた恐ろしき運命の第一頁が開かれたることを意味する」
「でも、先生。われらのやり方一つで、その新しいコロンブスと平和的
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