地球発狂事件
海野十三(丘丘十郎)
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)横溢《おういつ》
|:ルビの付いていない漢字とルビの付く漢字の境の記号
(例)五千十七|米《メートル》
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定、誤記の訂正
(例)対し[#「対し」は底本では「封し」、6−上段−6]
底本のダブルミニュートは、「“」と「”」に置き換えた。
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発端
この突拍子もない名称をかぶせられた「地球発狂事件」は、実はその前にもう一つの名称で呼ばれていた。それは「巨船ゼムリヤ号発狂事件」というのであった。これは前代未聞のこの怪事件を最初に発見し、そしてその現場に一番乗りをした上に、全世界の報道網に対し[#「対し」は底本では「封し」、6−上段−6]輝かしき第一報を打つことに成功したデンマーク新報のアイスランド支局員ハリ・ドレゴの命名によるものであった。巨船ゼムリヤ号発狂事件――という名称からして既に怪奇味が横溢《おういつ》し只ならぬ事態が窺《うかが》われる次第であるが、それが後になって更に一層発狂的命名をもって「地球発狂事件」と唱えられるに
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