たえることが必要なのだ。それがために、この研究所には百万ボルトの高圧変圧器《こうあつへんあつき》があるが、百万ボルトでは十分効果をあげない場合がある。もっともいい方法は、落雷《らくらい》の高圧電気を利用することだ。しかしいつでも雷雲《らいうん》が近くにあるわけではないから、おいそれとすぐにはまにあわない場合がある。もう一つの欠点は、人造人間の脳髄を作る研究がなかなかむずかしいことだ。百個作っても五個しか成功しない。だからむしろほんとうの人間の脳髄を移植《いしょく》する方がらくである。おそらくこんど造った人造人間の脳も失敗作なのであろう」
谷博士の頭の中に浮かんだ考えが、そのまま山形警部の声になって、部屋中にひびきわたった。
X号はよろこんだ。谷博士は、くやしがって歯がみをし、身もだえして、椅子をがたがたいわせた。
そんなことで、X号は手をひかえるようなことはなかった。つぎの質問に移っていった。
すると博士の頭の中に浮かんだ回答が、山形警部の声で出て来た。こんなことを繰《く》りかえしたものだから、博士はついに悶絶《もんぜつ》してしまった。
「ははは、弱いやつだ」
X号は笑って、
前へ
次へ
全194ページ中86ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
海野 十三 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング