きだした。彼の頭部にある手術のあとのみにくい縫目《ぬいめ》が、警部をふるえあがらせた。
「ややッ、君は死刑囚の火辻軍平だな」
「正確にいうと、それはちがうんだがね」
と、X号はつい興《きょう》に乗ってからかい半分、そういった。
「火辻のからだを借りている者さ。よくおぼえておくがいい。わしはX号だよ。谷博士がわしを作ったのだ。超人間のX号さ。うわははは」
「ええッ、X号は君か」
「おどろいたか。よく顔を見て、おぼえておくがいい」
「うぬ。そのうちにきっと君を捕縛《ほばく》してみせるぞ」
「それは成功しないから、よしたがいい。とにかく、それでは早く仕事にかかろう。君とはもう口をきかないことにする」
「早く、私のからだを自由にせよ。君には、私を捕《と》らえる権限《けんげん》がないじゃないか」
「そのうちに、君を自由にしてやるよ。当分《とうぶん》ここにいて、わしの仕事に協力してもらうのだ」
「いやだ。X号の仕事のお手つだいをさせられてたまるものか」
「吠《ほ》えるのはよしたほうがいいよ。わしは、だれがなんといおうと、計画したことはやりとげるのだ」
X号は、それからのちは山形警部の怒号《どご
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