号は、これを使うことを決心したのであった。ただし、これをするには、一人の人間がいる。生きた人間を見つけてこなくてはならない。それをどうするか。
X号は、そこでちょっと行きづまって、椅子《いす》を立ちあがると窓のところへ行った。
窓から外を見ると、研究所の塀《へい》のかげにひとりの怪しい男が身をひそめて、しきりにこっちをうかがっているのを発見した。それは今回の事件のために命令をうけて、この研究所を監視している山形《やまがた》警部の私服姿《しふくすがた》であった。
「あの男を連れてこよう。すぐ手近に見つかったのは、ありがたい」
X号は、機械人間たちを呼びだして、山形警部|逮捕《たいほ》の命令を出した。
警部は、かんたんに逮捕せられた。機械人間の大力と快速にあってはかなわない。
神を恐れぬ者
山形警部は、失心状態《しっしんじょうたい》になったままX号の前へ連れてこられた。
X号は警部を生きかえらせた。
警部はわれにかえった。そして目の前に怪しい人物を見たので、
「あっ、君はだれか」
と、叫んだ。
「わしか。わしは君が探している者だよ」
X号は、顔をぬっと前につ
前へ
次へ
全194ページ中82ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
海野 十三 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング