にせ博士の超人間X号を発見することはできなかった。またその所在もわからなかった。
ひょっとしたら、誘拐された谷博士がここにいるのではないかと、それも気をつけて調べたのであるが、博士の姿もなかった。
そして事実は、さっきのX号のひとりごとでお分かりのとおり、X号も博士も最地階にひそんでいたのである。
警官隊は、小人数の見張《みは》りの者をのこして、あとはみんな、ふもとの町へ引きあげていった。
X号の新計画《しんけいかく》
「はっはっはっ、みんなあきらめて帰ってしまった。そのうちに、見張りのやつらも引きあげていくだろう」
X号は、窓から外をのぞいていて、あざ笑った。
それはいいが、X号の方にも、重大な問題があった。それは、また、いつ警官隊がおしかけてくるかも知れず、うるさくてしようがない。そしてこんな死刑囚|火辻軍平《ひつじぐんぺい》の病気だらけのからだを借りていると、いつ頓死《とんし》するか知れたものではないし、そうかといって、まただれかのからだを手に入れ、その中にはいったとしても、また追いかけられるにきまっている。そこで彼は、そういうことの絶対にないからだを手に
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