だ。どうしたわけだんべ)
(ああ、分かった。このまえ、ほら、あの研究所の塔《とう》さ、雷《かみなり》さまのためにぶっこわされてから、心がけがすっかりかわって、やさしくなったんだろう)
 村人は、そのくらいのことを考え、その先を考えなかった。なぜ博士が急にこう物腰《ものごし》がひくくなったかについて、もっと深く考えることをしなかったのだ。素朴《そぼく》な村人たちは、博士が自分たちを友だちのように、したしげに話しかけてくれることにたいへん満足をおぼえた。そのうえに、こんど博士が、大きな金もうけをさせてくれるといったのにたいし、好感《こうかん》をよせたのだ。村人は、博士をとりまいて、遠慮《えんりょ》のない話をとりかわした。
「博士さまは、この夏の爆発のとき、目が見えなくなったちゅうこんだが、今はどうでがす。よく見えなさるかの」
 博士は、ぎくりとして、両手で自分の両眼をおさえた。
「おお、そのことだ。……いや、心配をかけたが、わしの目も今はすっかり直《なお》って、よく見えるようになった。安心してください」
「それはけっこうなこと。目が不自由だと、一番つらいからの」
「そうじゃ、そうじゃ」
 
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