だけの人数の警官ではたりそうもないので、ふもと村へ応援隊をすこしも早くよこしてくれるように申しいれた。
山狩《やまが》りは、ますます大がかりになっていった。しかしかんじんの怪しい機械人間は、どこへ行ったものか、その夜の閣《やみ》とともに姿を消してしまった。
柿《かき》ガ岡病院《おかびょういん》
目が見えなくなったうえに、怪しい機械人間の出現《しゅつげん》で、すっかり神経をいためてしまった谷博士は、五人の少年の協力によって、警察署の保護をうけることになった。
三日ほどすると、すこし博士の気もしずまったので、かけつけた博士の友人たちのすすめもあって、博士は東京へ行くことになった。東京へいって、入院をして、目と神経《しんけい》とをなおすことになったのだ。
「わしの東京行きは、ぜったい秘密にしてくれたまえ。そうでないと、わしはこのうえ、どんな目にあうかもしれない。殺されるかもしれないのだ」
と、博士はひとりで恐怖《きょうふ》していた。
友人たちは、博士に、そのわけをたずねてみたが、博士はそのわけをしゃべらなかった。
「今は聞いてくれるな。しかし、わしは根《ね》も葉《は》
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