のわきから、地階へおりる階段があるから、それをおりるんだ」
「はい。分かりました。おい羽黒君、井上君。手を貸してくれ。おじさんを両方から支《ささ》えてあげるのだ。……おお、よし。おじさん、さあ歩いてください」
「ありがとう」
 一同は歩きだした。
 がっちゃん、がっちゃん、がっちゃん。
「あ、あの音は……」
 博士は、さっと顔色をかえて立ちどまる。
「おじさん。あの機械人間が、ぼくたちのうしろからついて来ますよ」
「うーむ、ふしぎだ。今まで、あれ[#「あれ」に傍点]はどこにどうしていたのかしらん」
「ぼくらの前に立って、おじさんの話をじっと聞いていたようですよ」
「なに、わたしたちの話を聞いていたというのか、あの機械人間が……」
 博士は途中でことばをのんで、少年たちに腕をとられたまま、へたへたと尻餅《しりもち》をついた。


   旧式《きゅうしき》の制御台《せいぎょだい》


 少年たちは、この谷博士が非常に神経過敏症《しんけいかびんしょう》におちいっているのだと思った。
 だから少年たちは、博士を左右から抱《だ》きあげ、いろいろとはげましてようやく博士を立ちあがらせた。
 それか
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