たぐらいですんだ。
 この建物が破壊されたことは、かえってよかったともいえるのである。なぜかというと、このために、物をいう木や、ひとりで動く道具や、あのぶきみな機械人間や、そういったものは皆姿を消してしまって、三角岳はまたもとの自然のままの姿にかえったのだから。そしてまた、X号の作りだした、防ぎようのない伝染病《でんせんびょう》の細菌《さいきん》や、どんな防毒装置でも透過《とうか》する毒ガスや、そのほかいろいろの最新兵器も、みな死滅し分解され破壊されて、人類を滅亡《めつぼう》させる役に立つこともなかったのだ。
 三角岳へこの宇宙航空船がかえりついた時、博士は社会からはげしい非難をうけ、警察のとりしらべも受けたのだが、X号の恐ろしい計画について、山形警部がいちいち証言をおこなったので、かえって博士たちの努力が認められ、なんの処罰《しょばつ》も受けずにすんだ。
 頭のきずが回復した時、博士の第一にした仕事は、山形警部をもとのからだにかえしてやったことだったのは、いうまでもない。
 博士のかたくなな性格は、それからまったく生まれかわったようになってしまった。本心からおだやかな、人好きのする円
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