満な性格となり、博士は自分の研究の結果を、すべて広く社会に公開し、社会と人類の文化の向上をはかったのである。
 それはX号のように、下心《したごころ》あるうわべだけの行為ではなく、本心から出た愛情のこもった行為であった。
 宇宙航空船につまれてあった、莫大《ばくだい》な量のウラニウムは、すべて原子力工場のために使用され、原子爆弾は、あのサハラ沙漠の爆発を最後として、永久に使用されずに処分されてしまったのである。
 ただ一つ、博士がどうしても公開しなかった研究の秘密――それは人造生物をつくる方法だけだった。
「生命というものは、神だけが生みだすべきものである。人間の手でそれを作りだそうとすることは、かえって人類の破滅をまねくにすぎない。自分がこのような恐ろしい目にあったのも、人間の力の限度を知らないから生じた誤《あやま》りだった」
 博士は口ぐせのように、こうくりかえしていたのである。
 戸山君はじめ五人の少年は、博士の下で研究をつづけ、日本でも有数の大科学者となった。しかし、戸山君たちの心の中には、いつまでもいつまでも、このような恐ろしい疑問が、たえず残っていたのである。
「あのX号は
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