した。
――敵のロケットは、いま高度六千、サハラ沙漠《さばく》の上空を東進中、速度千七百キロ――
一人の少年が、電波探知機を見つめて報告した。
「どうしたのか。大分敵は速度がにぶったな。よし、全速力にて追撃《ついげき》せよ――」
博士は頭を両手でおさえながら命令した。
X号をのせたロケットは、この航空船をはなれるが早いか、方向をかえて、こちらと反対の方向に全速力で逃げだしたので、大分距離も離れたが、何しろこちらの方が早いので、その距離はぐんぐんと接近して来た。
――敵との距離はあと六百キロ、敵の高度は、地上三百メートルにさがっています。――
またも電波探知機の方から報告があった。
「おかしいな。こんなに高度をさげてどうするのだろう。墜落《ついらく》しているのだろうか」
博士も一時は首をひねったが、やがてある恐《おそ》ろしいことに気がついた様子だった。
「これはいけない。ひょっとしたら、X号は、ロケットを着陸させて、飛びおりるつもりかも知れないぞ、全速力で追撃せよ」
宇宙航空船はいま、三千キロの全速力を出して、電光のようにサハラ沙漠の上空を飛びつづける。
前のロケットと
前へ
次へ
全194ページ中188ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
海野 十三 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング