どこか、いい場所がありそうなものだ。どれ、探してみようか」
怪しい機械人間は、そういいながら、がっちゃん、がっちゃんと金属の太い足をひきずって、室の一隅《いちぐう》にあった階段を、上へと登っていった。
博士よみがえる
それから一時間ばかりたった後のことであった。
登山姿に身をかためた五人の少年が、三角岳《さんかくだけ》の頂上へのぼりついた。
「やあ、すごい、すごい」
「すごいねえ、戸山《とやま》君。やっぱり、塔はくずれているよ。ほら建物もあんなに大穴があいているよ」
「ほんとだ。あのとき、塔も建物も、火の柱に包まれてしまったからね、もっとひどくやられたんだろうと思ったが、ここまで来てみると、それほどでもないね」
「いや、かなりひどく破壊《はかい》しているよ。塔なんか、半分ぐらい、どこかへとんじまっているよ。それに建物が、めちゃめちゃだ。ほら、こっちがわにも大穴があいているよ。落雷と同時に、中で爆発をおこしたものかもしれない」
「中に住んでいる人は、どうしたろうね」
「どうなったかなあ、塔や建物がこんなにひどく破壊しているんだから、中に住んでいた人たちは、もちろん死ん
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