う。
「この三角岳メトロポリスには、われわれ木のほかに、昆虫《こんちゅう》、鳥、小さい獣《けもの》、石などにも、人間と同じように考えたり、お話をうけたまわったり、ご返事できる者が、たくさんいるのですよ」
「ふしぎだ。それはいったい何のためです」
「生化学の研究が、生命と思考力《しこうりょく》を持った電臓を作りあげることに成功したのです。これによって、あらゆる物品は、生命と思考力を持つことができるのです。谷博士のすばらしい研究です。こうして種あかしをしてしまえば、ふしぎでもなんでもありませんでしょう。ねえ、学生さん」
「ありがとう。では、お別かれします」
 大学生は立ち木に礼をいって、いそいでそこを立ちさった。こんなおそろしい目に出あったのは始めてである。二人は、三角岳研究所の見えるところまで来たけれども、研究所の建物の奇妙《きみょう》な形を見ると、おそろしさが急にこみあげて来て、そっちへ廻って行くのはやめにした。二人は、どんどん山をおりていった。


   地獄《じごく》の光景《こうけい》


 谷博士の評判は、一時大したものだった。それはこの三角岳村が、最新文化都市に生まれかわり、村
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