になったとき、どこからか、人の声が聞こえた。
「もしもし、あなたがたは三角岳の研究所へいらっしゃるんですか」
それは美しく澄《す》みきった若い女の声であった。二人は顔を見あわせた。
「だれかが、ぼくたちに話しかけたじゃないか。だれだろう。どこにいるんだろう」
「ぼくも声は聞いたが、あたりには、ぼくたち二人きりで、ほかにだれもいないじゃないか」
「じゃあ、気のせいかな。だれかに道を教えてもらいたいと思うものだから、村の人の声が聞こえたように思ったのかしらん」
「それにちがいない」
すると、再びその美しい澄みきった女の声が聞こえた。
「もしもし、それなら、あなたがたは道をまちがえていらっしゃいます」
「ははア……」
二人は顔を見あわせて、あたりをきょろきょろ。しかしやっぱり自分たち二人のほかに、何者の姿も見えない。目につくのは、すこしうしろの道ばたに、一本の大きな木が立っているだけであった。
「もしもし、あなたがたは、ここから道を八百メートルばかり引きかえすのです。すると地下壕《ちかごう》の中にはいります。そこであなたがたは、一階上にあがるのです。そして4と書いてある方向標《ほうこう
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