は、谷博士の手によって死刑囚火辻の遺骸《いがい》から取りだされ、そして活動を停止され、博士の冷蔵室の中に、厳重に保存されてあるのだ。
 火辻の遺骸は、あのとき氷室検事の一行が引きとっていった。
 これでもうX号の活動は完全にとまってしまったわけである。
 谷博士は日ましに元気になっていった。そして博士があのとき氷室検事にちょっともらしたとおり、このあたりの村々を栄えさせるための空前《くうぜん》の大事業に手を染めたのだった。
 まず、道路の修築《しゅうちく》が始まった。
 山を切りとり、崖《がけ》を補強《ほきょう》し、傾斜《けいしゃ》のゆるやかな道路を作っていった。どんなせまいところでも六メートルの幅《はば》を持っている道路をこしらえた。重要な道路は幅が三十メートルもあった。
 こんな道路を作るために、大じかけの土木工事《どぼくこうじ》が行われた。資材も、びっくりするほどたくさんいった。道路とともに、橋もこしらえねばならず、トンネルも掘らねばならなかった。
 こういう仕事を、谷博士が、全部自分で引きうけてやった。
 もっとも、博士が一人でやったのではなかった。働いたのは、博士が製造した機
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