その一番下の階なんだが、この上の十五階の一つ一つでは、ものすごい物ばっかりがいま作られている。
ぜったいに防ぎようのない、伝染病《でんせんびょう》のばいきんだとか、なんの臭いもしない猛烈な毒ガスだとか、いまの人間の力ではまだ完成されていない、すごい威力を持った原子爆弾だとか。さいわい、この工場は、一週間ほどまえにできあがったばかりで、まだそんなものの大量生産にはうつってはいないが、もし一月もほうっておけば、その時は地球上の全人類が滅亡する時だよ」
なんと恐ろしいものがたりだったろう。少年たちのからだは、木の葉のように震《ふる》えていた。どうしても、これはこのままにしておくことはできない。どんな方法をとっても、このX号の野心は粉砕《ふんさい》しなければならないが、さてその方法は――
五人は、またしてもはっ、とかたずをのんだ。うしろの扉が音もなくひらいて、一人の機械人間がはいって来たのだった。
ふしぎな機械人間《ロボット》
五人の少年は、その機械人間の姿を見たとき、思わずぞっとしたのだった。精巧《せいこう》な機械の力で動く、この機械人間の恐ろしい怪力《かいりき》は、少年たちも毎日のように、自分らの目で見ていたのである。そして機械人間はすべて、にせの谷博士の命令には、ぜったい服従《ふくじゅう》して動くのだった。自分たちが、こうして地下室へ忍びこんで、サルになった本物の谷博士と話をしているところなどを見られたら、とうてい命はあるはずがない!
しかし、この機械人間は、五人めがけてとびかかるような気配《けはい》はなかった。
「戸山君、君たちはここでいったい何をしているんだね」
その声には、機械人間に特有の、きいきいとした金属的な音ではなく、ふつうの人間の声のような、やわらかさがあった。
「べつに……何も……」
「早く、自分の部屋にかえりたまえ。こんなところでうろうろしているところを、博士に見られたらたいへんだ。みんな殺されてしまうよ」
そのことばにも、機械人間《ロボット》とは思えないような、同情の調子がみなぎっている。
「君、君はいったい何者だね」
檻《おり》の鉄棒につかまって、ものすごい目で機械人間の方をみつめていた、サルの谷博士が、がてんがいかないというふうにたずねた。
「おや、このサルは口をきくんだね。そういうおまえこそいったい何者だ」
機
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