どうしてあけたらいいのです」
「となりの部屋に、鍵がおいてあるはずだから、それをさがして来てくれたまえ」
 戸山少年は、あわてて部屋をとびだして、となりの部屋をさがしたが、あいにくそこには鍵はなかった。ただそこにも大きな檻があって、中には谷博士と同じ種類のサルがぐうぐうと大きいいびきをかいて、眠っていたのである。
「先生、鍵はどうしても見つかりませんでしたよ」
 戸山君は、さっきの部屋へかえって、サル――いや本物の谷博士に報告した。
「そんなはずはないんだが――さてはX号が持っていったかな」
 サルはばりばりと歯ぎしりをした。
「ところで先生、先生はどうしてこんな所にとじこめられたのです」
「それがね、ぼくもゆだんしていたんだ。X号がぼくを病院からさらって逃げたことは、君たちもよく知っているだろう。ところが君たちが、ぼくに化けたX号をにせ者だと見やぶって、この研究所を襲撃したので、X号は火辻軍平のからだにはいっていては危険だと思ったんだね。それでぼくを殺して、ぼくのからだの中へはいりこみ、君たちの目をごまかしたんだ。そしてぼくの脳髄《のうずい》だけを、このサルのからだに移して、あとでまた、役に立てようとしたんだよ」
「すると、となりの部屋にいたサルは……」
「あのサルも、ぼくのからだと同じ、人工《じんこう》のサルだよ。ただむこうは、サルの脳髄しか持っていないし、こちらは人間の脳髄を持っているだけのちがいだよ」
「それでX号は、これからどんなことをやりだそうというのです」
「あいつは恐ろしいやつなんだ。智恵の力はふつうの人間とは、くらべものにならないくらいすぐれているが、感情だの、道徳《どうとく》だのというものは少しも持ってはいないんだ。あまり自分の力がすぐれているんで、あいつはこのごろでは、少し増長《ぞうちょう》して来たらしく、地球上の人類を全部殺してしまって、自分らがそのかわりにとってかわろうとしているんだ」
「そんな恐ろしいことが、ほんとうにできるんですか」
 少年たちは、恐ろしさにがたがたとふるえていた。
「できる。X号にならできるとも。君たちは、この地下室をなんだと思うかね」
「さあ、ぼくたちには、よく分かりません」
「X号の秘密工場だよ。あいつは、いつのまにか、機械人間の力をかりて、この三角岳《さんかくだけ》の地下に、十六階の地下工場をつくりあげた。ここは
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