厳重に閉ざしたり。これは外に出て火星人を撃退せんとせば、風間、木曾の二少年に若《も》しものことが起らずとは保証出来ざるためなり。幸い、両少年とも息をふきかえしたるも、未《いま》だに自由に活動出来ざる状態にあり……”
「うーむ、風間も木曾も、いい具合に息をふきかえしたらしいな」
艇長は、にっこりして幕僚の方を一寸《ちょっと》見たが、すぐ又、電文の方に眼を移した。なかなか、長い報告だった。
“……しかるにこの乗物の出入口を全部閉ざすや否《いな》や、忽然《こつぜん》として空中に浮動するを発見せり。早速ガラス製と思われる窓より、離れゆく月面上を見るに、本乗物の飛行を知って火星人らは痛く驚愕狼狽《きょうがくろうばい》の模様なり、考うるに、本乗物を失っては彼らは既に火星に帰ることが不可能となったためと思わる。これによって見るに、本乗物はわが隊を乗せて、一路火星に飛行するものの如し”
そこでこの奇怪な目にあっている第四斥候隊からの報告が切れた。
すると、すぐ続いて、今度は第五斥候隊からの無電がはいって来た。
「お、第五斥候隊からの報告だよ、うむ、うむ、無事だったと見えるな」
艇長は、ひとりで
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