が、この時第四斥候隊の方には、辻艇長が心配していた以上のことが起こっていたのだった。
 それは、間もなく第四斥候隊報告として、この司令室の無電機に飛込んで来た。受信している無電員が、先《ま》ずびっくり仰天《ぎょうてん》するような報告だった。
“第四斥候隊報告。わが隊は、目下月世界を離れて飛びつつあり……”
「えッ」
 無電を受けている無電員が、思わず「えッ」といってしまった。これはなにかの間違いではないか、と思った。しかし、たしかに第四斥候隊からは、そう無電がはいって来るのだ。
 無電員のびっくりした声に、幕僚と艇長とが「どうかしたのか……」というようにのぞきに来た。そして、無電員の肩越しに一生懸命に鉛筆をはしらせている受信器の上の文句を読んで、艇長と幕僚も又、おやっというように顔を見合わせてしまったのだった。
“……わが隊は、目下月世界を離れて飛びつつあり……”
 この不思議な報告にはまだあとが続いていた。


   斥候隊の報告

“わが隊は大なる皿の如き、彼らの乗物を確保しありたりところ、突然火星人の来襲せんとするを発見せるをもって、ただちにこの乗物の内部に入り、すべての出入口を
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