したもののようにも見えた。
(一体、何だろう。この高等怪物は……)
三郎は、そばへぴったりすりよってくる、木曾九万一の身体をかかえながら、眼をみはった。
その怪物の中に、どうやら大将らしい怪物があった。その怪物は他の怪物と、しきりに連絡をしていたようであったが、やがて連絡がすんだのか顔を二人の方に向けた。
「おい、君たちは、日本人だろう」
その怪物が、いきなり日本語で話しかけてきた。それには三郎は、びっくり仰天《ぎょうてん》した。
「ええっ!」と、三郎はいったきり、全身から、汗がふきだしてたらたらと流れた。
ふしぎだ。なぜその怪物は、日本語をはなすのであろうか。第一空気もないのに、なぜその怪物のはなしが、三郎の耳にきこえるのであろうか。
三郎はわが耳をうたがった。
「これこれ、べつに君たちの生命をおびやかすつもりはないから、安心して、われわれの問いにこたえなさい。君たちは日本人だろうね。今、かおいろをかえたじゃないか」
怪物の首領は、にくいほど、はっきりした口調で、三郎たちに話しかけてくるのであった。
三郎は、こたえたものかどうかと、考えているうちに、木曾が前にのりだした
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