禿《は》げているところがあり、頭の上には、りっぱな角のような触角が二本、にゅっと出ていた。頭の、その他のところは河馬《かば》のように妙にうす赤い色をおび、てらてらと光っていた。
 それから胴は、鳥のようにふくれていた。しかし腹のところは、鎧をきたようになっていて鳥とはちがう。背中には、甲虫の翅《はね》と同じような翅が畳みこまれているようであった。その翅のつけ根の横には、触角とはちがい、もっとぐにゃぐにゃしたゴム製の管のようなものがついていた。それはたいへん長くて、地上に達していたが、うごいているうちに、急に短くちぢんでしまうこともあった。これは手の代用物であろう。触手というものかもしれない。とにかく、いまだきいたこともないふしぎな生物であった。
 もう一つ、ふしぎなのは、その怪物の足であった。足は、その怪物の下腹のところから二本にゅっと出ていた。その足はちょっと見ると、鶴の脚《あし》に似ていた。しかしよく見ると、関節が二つもあり、大地をふまえるところには、五本の指があって、水かきのようなものがついていた。しかもこの奇妙な足は、どこから見ても丈夫に見えた。何だか、金属を組合わせて足の形に
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