きすえられた。さあ、つつき殺されるか、生き血をすわれるのか。三郎は、もう死を観念して、どうでもなれと、大きな眼をむいて、相手をにらみつけていた。
怪物たちは、岩かどにこしをおろし、二人を見すえながら、頭をよせて何か話をしている様子であったが、もちろん怪物たちのこえは一向《いっこう》にきこえない。
三郎は、この間に、怪物のすがたを、くわしく見ることができた。
とおくから見ると、この怪物は、甲虫《かぶとむし》かペンギン鳥のように思われたが、そば近く見ると、かならずしもそうではなかった。甲虫やペンギン鳥よりもずっと高等な動物のように見えた。というのは、まず第一に彼等は触角みたいなものをふりながら、おたがいに話をしている様子である。しかも、話をしながら、いろいろと、こまかく身ぶりをするところを見ても、猿なんかよりも高等な智慧《ちえ》をもった動物のように見えた。
全くふしぎな、気持のわるい生物である。
その怪物は、くるくるうごく、大きな顔をもっていた。顔のまん中には、蜻蛉《とんぼ》の眼玉のようにたいへん大きな眼があった。そしてその下に、黄いろい嘴《くちばし》がつきでていた。頭の上は白く
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