。そして手をあげて、何かものをいうような恰好《かっこう》をした。
すると怪物の首領は、大きな頭をふって、うなずき、
「おお、そうか。君は、なかなか勇気があってえらいぞ。そうか、君たちはやっぱり日本人だったか」
木曾が何かいったのが、怪物の首領に通じたものと見える。空気もないのに、なぜこっちのことばが向こうに通じたものであろうかと、三郎はふしぎに思った。が、それよりも、木曾に勝手なおしゃべりさせてはならないと思ったので、彼は木曾に注意をするつもりで自分の触角を木曾の方によせた。
「おい、君たち同志、勝手に話をしてはいけない」
首領は、早くも三郎の心をみぬいて、しかりつけた。
ああ、一体この智慧のすぐれた怪物は、一体何者なのであろうか。
司令艇《しれいてい》クロガネ号
話は、ここで風間少年たちや、月世界に不時着した噴行艇アシビキ号からはなれて、今なお堂々たる編隊でもって、大宇宙をとんでいるわが噴行艇の本隊にうつる。
この本隊では、はじめ百七十隻だったが、途中アシビキ号をうしなって、今はのこりの百六十九隻が固まってとんでいる。
隊の先頭には、嚮導艇《きょうどうてい
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