年のところへ引きかえした。すると木曾は、岩の上から、そこに落ちていた何かをひろいあげ、目を丸くしている。
「これはなんだろう。ねえ三郎」
木曾のさしだしたものを三郎が見ると、それは缶詰の空き缶のようなものであった。しかしそれは、地球で見る缶詰とはちがって、缶の横には三角だの、火の玉だの、妙な模様がかいてあるものだった。
三郎は、それを見ているうちに、なんだか背筋が、ぞーっと寒くなってくるのだった。
先住生物か
「へんな缶じゃないか」
風間三郎は自分の触角を、木曾九万一の触角におしつけて、そういった。
「えっ、へんな缶だって。どこが、へんなの」
木曾は、どこがへんなのか、のみこめないという顔つきだった。
「クマちゃん、ほら、このへんなしるしをごらんよ」
と、三郎は、缶の胴中にかいてある三角だの火の玉だののしるしを指しながら、
「こんなへんな模様みたいなものを、今まで見たことがないじゃないか」
「なるほど、そういえば、へんな模様だね。なんだか判《はん》じ物《もの》みたいだけれど、だれがこんなものをかいたのかなあ」
「クマちゃん、それよりもねえ、もっとふしぎに思ってい
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