あるわれわれがやろうというのであるらしい。
「触角は、二本ずつついています。右の触角は、こっちからいう方です。左の触角は、相手のいっていることを聞きわける方です。つまり右は送信用、左は受信用といったものです。わかりましたね」
三郎は、あの説明者が、蟻と蟻とが触角をつけあって話をしているのを例にとって説明すれば、みんなは一層はっきりわかるだろうと思った。
「そのほか、この宇宙服には、いろいろな仕掛けがついていますが、いずれも自動的にはたらくようになっているから、みなさんは、べつに手をつけなくてよろしい。つまり、その仕掛けというのは、保温装置や、酸素送出器は自動的にはたらいてくれます。照明装置や、小型電機などもついていますが、これも自動的にはたらいてくれるから、心配はいらない。つまり、暗くなれば、兜の上や、腹のところや、靴の先から、強い電灯がつくようになっている。明るくなれば、自然にスイッチが切れて消える。無電も、いつでもはたらく。号令は、みな無電で入ってくる。ずいぶん便利に出来上っている。かんしんしたでしょう」
「うまく出来ているなあ」
艇夫たちは、口々に、このすばらしい宇宙服のこと
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