いった。
       ×   ×   ×
 太刀川時夫と石福海を、のみこんだ大きな黒い渦は、ゆらりゆらりと所をかえて行く、その底のあたりに、何か、ぴかりぴかりと光るものがあったが、ごーっという海鳴が一だんと高くなり、あたり一面が、ものすごく波立って来たかと思うと、やがて、まっくろい海面を、つきやぶって、ざざー、ざざーと、泡立てながら、ぬーっと姿をあらわした恐しくでかいものがある。
 大海魔であった。
 夜目にもそれとわかる、あのものすごい大海魔の頭であった。


   ミンミン島の珍客


 太刀川時夫と石福海少年とを一のみにしたものすごい大渦巻は、いつしか海面から消えてなくなった。洋上にただよいつつ、しきりに救いをもとめていたクリパー号の他の艇員や乗客たちの声も、いまはもうどこにもきこえなくなった。
 この人々の運命は、どうなることであろうか?
 太平洋上に、とつぜんかま首をもたげた、世にも奇怪な海魔の謎は、いつ誰がとくであろうか?
 それはしばらくおいて、この物語をミンミン島とよぶ、太平洋上の一つの小さな島の上にうつすことにする。
 ミンミン島は、色のくろい原地人たちが、みんな高
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