い木の上に、まるで鳥の巣のように、家をつくって住んでいる奇妙な島である。酋長ミンチの住居《すまい》は、大きな九本の椰子《やし》の木にささえられた大きな家で、遠くからみると、納屋に九本の足が生えているようだった。このミンミン島に住んでいる三百人ほどの原地人たちは、太陽のでている昼の間だけ地面をあるいているが、日が暮れかかると、あわてて木の上の家にのぼってしまう。そして夜の明けるまで、けっして地上におりて来ない。
このふしぎな風習は、大昔、島が真夜中に大つなみ[#「つなみ」に傍点]におそわれて、住民のほとんどが、浪にさらわれて行方不明になったことからおこったと、いいつたえられている。
今日は、酋長ミンチの家はお客さまがあって、たいへんな賑わいだった。お客さまというのは、このミンミン島の隣の島――といっても、海上五十キロもはなれているロップ島の酋長ロロの一行であった。
さて、酒盛がいよいよたけなわになったころ、日が暮れてきた。するとミンミン島の原地人たちは、急になんだかそわそわしだした。彼等にとってはおそろしい夜がくるからだ。
これにひきかえ、ロップ島のお客さまたちは、酋長ロロをはじ
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