出ていこうとするので、五人の部下はおどろいて、
「衛兵長。どこへいくのですか」
「うん、おれはちょっと、司令官のところへ報告をしてくる。お前たちは、いいつけたとおり見はっているんだ」
衛兵たちは、たがいに顔を見合わせてあきれた。が、衛兵長の靴音がきこえなくなると、彼等もみんな外に出た。
「ここならまだ、ましだ。この中にいちゃ、目まいがしそうだ」
「じゃおれは食物をとってくるからな」
「いや、それはおれがいこう」
「待て、おれもいく」
衛兵たちは、先をあらそって、廊下をかけだして行った。あとには、気のよい衛兵が、たったひとりで、廊下ではり番をしている。
太刀川時夫は、悪臭をじっとがまんしながら、ゆがんだベッドに腰を下した。祖国日本の一大事を、どうして知らせたものかと、おもいなやんでいるのだ。
「あのステッキがあればなあ」
日本を出発するときに原大佐からもらったステッキを彼はおもいだした。クリパー艇が沈没するまでは、たしかに持っていたが、海底要塞の中にすいこまれてからこっち、ステッキはどこへいったか行方がしれないのだ。
ぬけ出すか!
今では、それさえ思いもよらないことになってし
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