た。
「あ、たまらない臭だな」
 と、衛兵長は、まっ先に顔をしかめた。
「なんだね、このむかむかする臭は」
「缶詰がくさったらしいんです。捨てろという命令が出ないので、そのままになっているんです」
 と、部下の一人がこたえた。
「これは、やりきれん。早いところ、この日本猿を片づけてしまわないと」
 衛兵長は、顔をしかめながらいった。
「日本猿を、こっちへつれてこい。鉄の足枷をはかせ、その鎖にゆわえつけとくんだ。貴様が逃げだせば、こっちの命までが、ふいになってしまうからな。しっかりゆわえておけよ」
 無言の太刀川を、五人ばかりでおさえつけると、両脚に、鉄でつくったゲートルのようなものをはかせ、その合わせ目に、ぴーんと錠をおろし、更に鉄のゲートルの穴に、二本の重い鉄の鎖を通した。その鎖のはしは、床下に、しっかりと埋っている。まるで重罪人あつかいだ。
「おい、できたか。どうもこの悪臭には、降参だな」
「もう大丈夫です。絶対に逃げられません」
「そうか。では、その方は、それでよしと、あとは飯をくわせてやれ。酒もすこしばかりつけてやれ。だがこの悪臭の中で、食えるかな」
 衛兵長が、そういいながら
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