屋ならどこでもよい。それから、上等の食事に、酒をつけてな」
「は。たいへんな御馳走ですな」
「余計なことをいうな。しかし、逃げないように。もし逃がしたら、お前をはじめ衛兵隊全員、銃殺にするぞ」
「は、はっ」
衛兵長とよばれた下士官は、それきり一言もなかった。太刀川は、引立てられた。
リーロフ大佐は、それでもあきらめかねたか、酔眼《すいがん》をこすりながら、太刀川のそばに近づくと、たくましい腕をふりあげて、太刀川をなぐりつけようとした。
司令官ケレンコは、それをたしなめるようににらみつけると、衛兵たちにむかって、
「早くつれていけ!」
と命令した。
くさい監禁室
潜水艦が、海底要塞にかえりつくと、太刀川は、大勢の衛兵たちにつれられて、臨時一号監禁室に放りこまれた。
そこは、どうやら、海底要塞の、ごく底の方らしく、臨時というだけあって、まるで倉庫であった。器械を入れてあったらしい木箱や、まだときもしない貨物や、酒樽みたいなものが、ごたごたと山のように積みあげてある。そのすみに、古ぼけた寝台がおいてあった。それはまだいい。たまらないのは、この部屋にみちている悪臭だっ
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