容易ならぬことだと感じたが、恐竜型潜水艦の攻撃目標が、さしあたってわが艦隊でなくてよかったと思った。
だが、ケレンコの肚は、すでにきまっていた。
(ここでアメリカ艦隊をおそっても、まさか西太平洋のまん中に、ソビエトの潜水艦隊基地があるとは、気づくものはないだろう。アメリカでは、きっと日本潜水艦の襲撃をくったものとして、日本政府にねじこむにちがいない。そうなると、ここでいよいよ日米両国の大衝突となるから、そのすきをうかがってこっちは東京湾へつきこめば、いいんだ)
ケレンコは、戦隊司令パパーニン中佐にあて、秘密無電をもって、
「アメリカノ艦隊ヲ襲撃シ、恐竜型潜水艦ノ威力ヲ発揮セヨ。タダシ、貴隊ハソ連潜水艦タルコトヲ極力カクスコト。ナオ戦闘開始ノノチハ、トキドキニセノ無電ヲウチ、アタカモ日本潜水艦デアルヨウニ、アメリカ艦隊ニ思ワセルコト」
と、命令をだした。自分でさんざんあばれ、アメリカの軍艦をしずめ、そしてその犯人は日本海軍でございと思わせようというのだ。
すると戦隊司令パパーニン中佐から間もなく無電が来た。
「――ワガ恐竜第六十戦隊ハ、コレヨリ敵艦隊ノユダンニツケイリ、ナルベク早
前へ
次へ
全194ページ中151ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
海野 十三 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング