ク所期ノ目的ヲハタシタ上デ、全艦海底要塞ヘヒキアゲント欲ス。戦闘開始ニ[#「戦闘開始ニ」は底本では「戦闘開始に」]アタリ、ケレンコ司令官閣下ノ健康ヲ祝ス。戦隊司令パパーニン中佐」
 米ソ両艦隊の海戦は、いよいよはじまった。
 水中快速艇では、ケレンコ司令官と太刀川の両人が、たがいに身の危険もわすれて、はるかに海水を伝わってきこえてくる海戦のひびきと戦隊司令からの無電報告とにききいった。
 その時、運転士が、
「とてもやりきれません。ハンドルをもっていかれそうです」
 と、なき声で、うったえた。
「しっかりしろ」
 ケレンコが、しかるようにどなった。
 だが、むりもない。快速艇は、空中にうかんだ風船のように上下左右へおどる。恐竜の猛攻撃による艦船爆破のひびきが、水中をかきみだし、このさわぎをひきおこしたのだった。
 もしこのとき、空からこの海戦をながめたとしたら、この場の光景は、まるで血の池地獄、火焔地獄のように見えたにちがいない。
 アメリカ巡洋艦十八隻のうち、その半分の九隻が、理由不明のままみるみるかたむいた。三重の艦底が、いつこわれたのか大穴があき、そこから海水がどんどんはいってき
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