れ去られた。
 潜水将校リーロフは、どうしたのか、なかなかやってこない。
「あいつは、なにをぐずぐずしているのだろう。
 太刀川をあの部屋にとじこめ見張をつけて、すぐ来るようにいっておいたのに、ばかに手間どるではないか」
 ケレンコは、じりじりしだした。その時、
「委員長、駆逐艦が針路をかえました」
 副司令にかわって、哨戒兵が叫んだ。
「なに、針路をかえた。おい、テレビジョンをまわせ。駆逐艦のすすむ方向へだ」
 そういっているうちに、例の駆逐艦は、大きな円をえがいてぐるぐるまわりだした。それはちょうど海底要塞のまわりなのだ。
「あ、駆逐艦のやつ、なにかこっちの様子に感づいたな。もう一刻も猶予ならん。怪力線砲、射撃用意。目標の第一は、アンテナだ。第二の目標は、吃水線だ」
 ケレンコは、断乎としていいはなった。
「射撃用意よろしい」
 怪力線砲分隊よりの報告。高声電話の声だ。
「よし、撃て!」
 ついにおそるべき号令が発せられた。
 怪力線砲発射のすさまじい模様は、潜望テレビジョンで目の前のスクリーンに、ありありとうつし出されて行くのである。
 駆逐艦と商船との姿が何かをさがすように海面
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