とまわした。
 艦影は、みるみる大きくなって、やがてスクリーン一ぱいにひきのばされた。
「あ、先頭のはアメリカの駆逐艦。そして後のは、イギリスの商船じゃないか。ははあ、わかった。サウス・クリパー艇の変事をききつけて、やってきたものにちがいない。それにしても、いやに正確に、わが海底要塞を目ざしているではないか。これはゆだんがならない」
 委員長ケレンコの眉がぴくりとうごいた。
 司令室内の彼の部下は、いいあわせたようにケレンコをみつめている。
 その時、入口から、影のように一人の水兵がはいりこんできたのを誰も気がつかなかった。


   洋上の一大惨劇


 ケレンコは、スクリーンのうえにうつる二隻の艦影をじっとにらみつけていたが、なにごとか決心がついたものとみえ、副司令ガルスキーの方へ顔を向け、
「おい、ガルスキー。怪力線砲の射撃用意!」
「え、怪力線砲の射撃? あれを二隻ともやってしまうのですか」
 副司令は、顔色をかえて、ききかえした。
「なにをいっている。君は、わしの命令どおりにやればよいのだ」
「ですが、委員長。アメリカの駆逐艦はともかく、後のは、わが同盟国のイギリスの商船です
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