よりも遥かに優秀な成績をあげていることは、これまた愉快なことである。
人造光線というのは、ビルディングが発達すると共に、ますます需要が多くなるだろうと思われるが、これは大きい広間《ホール》の天井を擦《す》り硝子《ガラス》張りとして、その上に太陽のスペクトルと同じスペクトルの電灯を点じて、あたかも、その広間の上は青天井で、雲雀《ひばり》でも舞っていそうな感じが出るのである。これなどは、たしかに執務の能率をあげるものとして、ますます需要が高くなってよい。四十階のビルディングの、その何十何階かに、小さくなっておしこめられていることが、ハッキリわかるのは全く面白くないことである。錯覚でもよいから、春の和《なご》やかな陽あたりを感じ、雲雀の舞いあがる気配を感じたい。
だが、こうした人造もの[#「もの」に傍点]は、どうも話が面白くないので、この辺でやめることとし、人造人間《ロボット》の方へ方向舵《ほうこうだ》をむけることにしよう。
* *
楽屋落ちの昔咄《むかしばなし》を一つ。
それは今から七年ほどの昔に、本誌に御馴染の延原謙《のぶはらゆずる》氏が、人造犬や人造人間を題材にし
前へ
次へ
全20ページ中7ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
海野 十三 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング