人造物語
海野十三

−−
【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)人造人間《ロボット》

|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)人造|絹糸《けんし》

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)こうした人造もの[#「もの」に傍点]は
−−

 人造人間《ロボット》――1931年型である。
     *   *
 人造人間とはどんなものか。
 人造人間とは、人間が作った人形で、そいつは、機械仕掛けで、人間の命令どおり、忠実に根気よく働く奴だ。
     *   *
 さて、その人造人間が、ようやく、その存在を認められかけて来たようだ。
 本誌「新青年」の新年号に、「人造人間殺害事件」という探偵小説が出たのも、その一つ。前号には畏敬《いけい》する直木《なおき》三十五氏の「ロボツトとベツドの重量」というのが出た。
 すこし前に、東京上野の松坂屋で、1999年の科学時代の展覧会があって、そこに人造人間が舞台に立ち、みなさんと交歓した。
 今年の正月には、朝日新聞の招聘《しょうへい》で、人造人間《ロボット》レマルク君が独逸《ドイツ》から、はるばるや
次へ
全20ページ中1ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
海野 十三 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング