吃驚《びっくり》して、ライフルをぶっぱなしても、人造人間は、鋼製の皮膚を持っているから、それこそ弾丸があたっても、蚊《か》が喰いついたほどにも感じないことであろう。
* *
こういう風に、人造人間《ロボット》の働きぶりを挙げてゆくと中々きりがないのである。
さて人造人間は、どうして、そんなに働くことが出来るのか。その秘密をあばいて御覧にいれよう。
人造人間のうち最も簡単なものは、モートルや、ゼンマイ仕掛けで、いろいろと手足を動かし、首をふり、口を開き、眼玉をうごかすものである。我が国でも、甘栗《あまぐり》太郎の店頭にはノンキナトウサンの人造人間が、このような所作《しょさ》をして甘栗の宣伝をしていた。巴里《パリー》で、かつて、衣裳やさんが、このような仕掛けの美しいモデル人形をつかって流行の衣裳をダイナミックに見せたことがある。このような簡単なものは、ずいぶん古くからあったもので、僕が少年時代、神戸の湊川《みなとがわ》が、まだ淋しい堤防であったとき、その上に掛かった小屋で、「活《いき》人形」を見たのを覚えている。もう二十年以上も昔のことである。これは舶来の人形で、煙草を
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