うことをつきとめたよ」
「ええっ、大木老人がイワノフ博士だったのですか。あの、大木老人が……」
イワノフが現れた
正太少年と帆村探偵とが、イワノフ博士の秘密のかくれ家といわれる巌のまえで、話をしている最中、かたわらの草をがさがさいわせて出てきたのは大木老人だった。
「うぬ、探偵め、まだ死にそこなって、そこにいたか」
「ああ、大木老人!」
「おや、正太もそこにいたか。これはちょうどいいあんばいだ。二人とも一しょに片づけてしまおう。ここは山の中だ。助けをよんでも、誰も来ないところだぞ」
大木老人は、手にした大型のピストルを二人の方にむけ、にくにくしげにあざ笑った。
「大木さん。なぜ僕をうつのですか。あなたは、船の中で、僕をかばってくれたのに」
「ふふ、ふふ、なにをいっているか、この小僧め。あのときは、お前に味方したとみせたが、じつはこっちの都合でそうしたのじゃ、あのときお前を縛っておくと、船がついたとき人造人間エフ氏をお前に仕立ててわしがつれてでようと思っても、できないじゃないか。まだわからんか。あたまのわるい子供じゃ。人造人間エフ氏をお前に仕立てて、船を出ようとしても、
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