人造人間エフ氏
海野十三

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【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)人造人間《ロボット》

|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)日本人|剛情《ごうじょう》でしゅ、

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
   (数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#感嘆符疑問符、1−8−78]
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   人造人間《ロボット》の家


 このものがたりは、ソ連の有名な港町ウラジオ市にはじまる。そのウラジオの街を、山の方にのぼってゆくと、誰でもすぐ目につくだろうが、白い大きな壁と、そのうえに青くさびた丸い屋根をいただき、尖《とが》った塔が灰色の空をつきさすように聳《そび》えているりっぱな建物がある。
「ああ、じつにりっぱなお寺だなあ」
 知らない人は、きっとそういうであろう。ところが、この建物は、昔はお寺であったにちがいないが、今はそうではない。では、あれは一体どういう家なのであろうか? ほかでもない。あれこそイワノフ博士《はくし》の『人造人間《ロボット》の家』なのである。
 人造人間《ロボット》の家――と
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