ぬ証拠を見せてやろう。おい波、あの写真を持ってきたか」
 すると戸口に立っていた波が、ポケットから数葉《すうよう》の写真をひっぱりだして、頭目のところへ持ってきた。
「ふーむ。これで見ると、あのときお前は現場にいた子供にちがいない。これを見よ」
 頭目は、写真を牛丸に手わたした。
 牛丸は、それを見た。そしてどきんとした。彼が生駒の滝の前まできたとき、ヘリコプターがまい下ってきたので、おどろいて柿の木にのぼった。そのときの彼の姿が、はっきりと撮影されているのであった。写真の中には、彼の顔をいっぱいに引伸してうつしてあるものもあった。それを見ると、これは自分ではないということができないほど、はっきりしていた。
「どうだ。その写真にうつっているのはお前だろう。お前にまちがいなかろう」頭目は、こんどはおそれ入ったかと牛丸少年の面をむさぼるように見つめる。
「これは、ぼくのようです」
 牛丸は、あっさりとそれを認めた。
「しかし、この柿の木にのぼっているのがぼくだとしても、ぼくは誰からも、何ももらいません。ほんとです」
 戸倉老人が、このとき薄目《うすめ》をあいた。そして牛丸少年の顔を、さぐる
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