少年探偵長
海野十三
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)春木《はるき》少年
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)空中|放《はな》れ業《わざ》
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)[#ここから2字下げ]
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怪事件の第一ページ
まさか、その日、この大事件の第一ページであるとは春木《はるき》少年は知らなかった。あとからいろいろ思い出してみると、その日は、運命の大きな力が、春木清《はるききよし》をぐんぐんそこへひっぱりこんだとも思われる。
ふしぎな偶然《ぐうぜん》の出来事が、ふしぎにいくつも重なって起ったような感じだが、それもみんな、清少年の運命であったにちがいないのだ。
奇々怪々《ききかいかい》なるその大事件は、第一ページにあたるその日において、ほんのちょっぴり、その切口《きりくち》を見せただけであった。もし春木少年が、そのときにこの事件の大きさ、深さ、ものすごさ、おそろしさを半分ぐらいでも見とおすことができたなら、彼はこの事件に関係することをあきらめたであろう。それほどこの事件は、大じかけの恐怖事
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