った。頭目が、覆面の中からさけんだ。
「うむ。波《なみ》はそこに控《ひか》えておれ。木戸。その少年を前につれてこい。直接、話をしてみる」
 若い男は、入口を背にして、佇《たたず》んだ。
 木戸が前にでていって、牛丸少年の肩をつかんで、頭目の前に引立てた。
「手荒《てあ》らにはしないがいい」
 頭目は木戸に注意をした。
「これ、牛丸平太郎。お前にたずねたいことがあったから、ここまできてもらった。これからたずねることに正直に答えるのだぞ。もしうそをついたら、そのときはひどい罰をうけるから、うそはつくなよ」
 太い威厳《いげん》のある頭目の声が、牛丸の胸を刺した。
 牛丸少年は、だまっている。彼は、頭目の顔の前にたれ下っている三重のベールがふしぎで仕方がなかった。
「おい、牛丸平太郎。お前は、戸倉老人から黄金メダルの半分をうけとったろう。正直に答えよ」
 頭目はそういって、牛丸の返事はどうかと、上半身を前にのりだした。牛丸少年は、それでもだまっていた。
 頭目は少年が返事をしないので、機嫌をわるくした。彼は肩を慄《ふる》わせ、
「さあ、早く答えよ。お前が戸倉老人から渡された黄金メダルの半分は
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