、牛丸はやっと目がさめた。
「さあ起きろ。頭目《かしら》のお呼びだ。おとなしくついてくるんだぞ」若い男が、そういって、牛丸の手首にがちゃりと手錠をはめた。牛丸は引立てられて、監房《かんぼう》をでた。
前後左右をまもられて、牛丸少年は通路を永く歩かせられ、それからエレベーターに乗せられて上の方へのぼっていった。その道中に彼はたえずあたりに気を配ったが、それはなかなかりっぱな建物に見えた。彼はここがカンヌキ山のずっと奥深い山ぶところにかくされたる六天山塞《ろくてんさんさい》の地下|巣窟《そうくつ》だとは知らなかった。
「頭目。牛丸平太郎をつれてまいりました」
若い男は、頭目四馬剣尺が待っている大きな部屋へ少年をつれこんだ。
牛丸少年は、そこではじめて頭目なる人物を見た。
華麗に中国風に飾りたてた部屋の正面に、一段高く壇を築き、その上に、竜の彫りもののあるすばらしい大椅子に、悠然と腰を下ろしているあやしき覆面《ふくめん》の人物は、四馬頭目にちがいなかった。
その左右に、部下と見える人物が、四五名並んでいた。秘書格の木戸の顔も、それに交っていた。机博士のほっそりとした姿も、その中にあ
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