ターにさらわれていった牛丸平太郎少年だった。
 彼がヘリコプターに収容せられたときには、気を失っていた。だから、あとのことはよくおぼえていない。
 気がついたときは、固いベッドの上に寝ていた。おどろいて彼は起き直った。からだが方々痛い。
「おお、これは……」
 明かるく照明された、せまい一室だったが、入口は扉《と》のかわりに、鉄の格子《こうし》がはまっていた。牢屋《ろうや》だった。ベッドは部屋の隅にとりつけてあって、腰かけの用もしていた。
「ぼくを、こんなところへいれて、どうするつもりやろ」
 牛丸は、鉄格子のところへいって、それが開くかどうかためしてみた。だめだった。鉄格子の外側には、がんじょうな錠前がぶら下っているのが見えた。
 鉄格子の前は通路になっていた。そして正面には、壁があるだけだった。
 どこか抜けだすところはないかと、牛丸少年は部屋中を見まわした。天井に小さい空気穴があいているだけだ。そこからでようとしても人間にはできないことだった。小さい猫ならでられるかもしれないが、牛丸は猫ではなかった。
 天井は、高かった。室内には、ベッドの外になんにもない。いや、一つあった。それ
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