という顔つきで、紙包を開いて中を見たが、よく正体が分らないので、それを持ったまま、祠の方へひきかえしていった。
 祠の傾《かたむ》いた屋根をくぐり、格子の中へはいると、御神体《ごしんたい》をまつった前に、三|畳敷《じょうじ》きぐらいの板の間があり、そこに破れむしろが敷いてあった。そこがこのひげ面男――姉川五郎《あねがわごろう》の寝室であった。
 彼は、むしろの上にごろんと寝ると、隅っこのところへ手をのばして、ごそごそやっていたが、やがてその手が、船で使う角灯《かくとう》をつかんできた。彼はマッチをすって、それに火をつけた。この場所にはもったいないほどの明かりがついた。その下で、彼は紙包を開いた。
 すると、絹の焼け布片《きれ》がでてきた。彼はそれを無造作《むぞうさ》にひらいた。こんどは黄金メダルがでてきた。ぴかぴか光るので彼はびっくりした。それを掌《てのひら》にのせて、いくども裏表をひっくりかえして、見入った。
 絹の焼け布片の方は、紙と共にこの男の手をはなれ、折から吹きこんできた風のため、ひらひらと遠くへころがっていった。もしもこの光景を戸倉老人や春木少年が見ていたとしたら、おどろい
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