知られてしまう。すると戸倉老人の心に反することになりそうだ。また、せっかくここまで秘密にしてきたこの謎の宝ものを、むざむざと世間に知らせてしまうのは惜しい気がする。それから始まって、全世界に知れわたると、われもわれもと宝探し屋がふえて、結局、春木自身なんかのところへその宝は絶対にころげこんでこないであろう。
春木少年は、やはり人間らしい慾《よく》があったために、黄金メダルを警察へ引きわたすのは、もうすこし見合わすことにした。
「しかし、そうなると、どうしたら安全になるだろうか。自分の生命も安全、黄金メダルも安全、という方法はないものか」そう考えているとき、目の下の校舎の窓にぱっと明かりがついた。
スミレ学園
それはスミレ学園の校舎であった。スミレ学園というのは有名な私立学校であって、下は幼稚園から、上は高等学校までの級《クラス》を持っていた。どの組も人数が少く、先生は多く学費はかなり高価であったが、ここで教育せられた生徒はたいへんりっぱであったから、入学志望者は毎年五六倍もたくさん集った。
灯《あかり》のついたのは、室内運動館であった。その二階の一室に灯がついたので
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